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水位計の種類と特徴:8つの主要タイプを徹底解説


目次[非表示]

  1. 1.水位計とは
    1. 1.1.水位計の用途は?
  2. 2.水位計の種類
    1. 2.1.1.ミリ波レベル計
    2. 2.2.2.電波式水位計
    3. 2.3.3.超音波レベル計
    4. 2.4.4.フロート式レベル計
    5. 2.5.5.ガイドロープ式レベル計
    6. 2.6.6.静電容量式レベル計
    7. 2.7.7.圧力式レベル計(投げ込み式水位計)
    8. 2.8.8.差圧式レベル計
    9. 2.9.関連する製品はこちら
    10. 2.10.水位計に関するお役立ち情報

水位計とは

水位計は、液体の高さ、液面の位置を測定するためのセンサになります。水位計は、工業プロセスから環境モニタリングまで、多岐にわたる分野で利用されています。水位計の役割は、液体の量や流れを管理し、設備の効率や安全性を確保することです。
水位計は、河川、ダム、潮位、工場、農業用水、調整池、樋門、水処理施設、溜池、砂防等の水位を把握するために使用されます。また、危機管理型水位計としても活用され、水位観測所で定められているはん濫危険水位やはん濫注意水位の監視にも利用されています。

水位計の用途は?

水位計は、例えば以下のような用途で使用されます。

環境モニタリング
川や湖、地下水の水位を連続的に監視することで、水資源の管理や洪水 の予測を行います。

工業用途
製造工程の液体レベル管理や貯蔵タンク、処理プラントなどでの液位モニタリング。

インフラ管理 
 給水施設や下水処理場における運用状況の監視。


水位計の種類

1.ミリ波レベル計

ミリ波レベル計_イメージ

原理
ミリ波レベル計は、ミリ波と呼ばれる短波長の電磁波を使用して水位を測定します。液面で反射した信号を捉え、受信された時に送信しているミリ波との周波数の差を、往復の伝搬時間に変換、距離として計測します。

特長
・非接触式で液面に直接触れずに計測するため、汚染や異物混入のリスクが低い
・温度やガス、粉塵、蒸気の影響を受けにくく、過酷な環境でも正確な計測ができる。
・空気振動を伝搬原理としないため、風の影響を受けずに計測できます。
・狭い場所での測定に適している。また
放射角が小さく、周囲の構造物の影響を受けにくい。

短所
・比誘電率の低い測定物は反射波が弱く透過して計測できない場合があります。
・蒸気はタンク天井で結露となって影響を及ぼすことがあります。特に内圧が高い場合、結露は水滴ではなく水膜となります。電波は水膜を透過できず計測できません。その様な場合は、エアパージが有効です。


2.電波式水位計

マイクロ波レベル計_イメージ


原理
電波式水位計は非接触式レベル計です。マイクロ波レベル計とも言われます。
センサから発信したマイクロ波パルスが測定物から反射して、センサに戻るまでの時間を計測し、空尺距離に換算します。


特長
・温度やガスの影響を受けません。
・電波は透過性があるため小さな粒の影響を受けずらく、粉塵や蒸気発生する環境でも計測ができます。
・空気振動を伝搬原理としないため、風の影響を受けずに計測できます。


短所
・比誘電率の低い測定物は反射波が弱く透過して計測できない場合があります。
・蒸気はタンク天井で結露となって影響を及ぼすことがあります。特に内圧が高い場合、結露は水滴ではなく水膜となります。電波は水膜を透過できず計測できません。その様な場合は、エアパージが有効です。

※電波式水位計は               
「新技術情報提供システム」の登録商品です。


開放空間での利用が可能な電波式水位計



3.超音波レベル計

超音波レベル計_イメージ

原理
超音波を使った非接触式レベル計です。
超音波式レベル計は、センサから超音波パルスが発信され測定物から反射してセンサに戻るまでの時間を計測し空尺距離に換算します。


特長
・レベル計の中では比較的安価になります。
・非接触での測定が可能でメンテナンスも簡便。


短所
・粉塵・蒸気・ガスが発生していると空気振動を妨害し超音波を減衰させるため、指示飛びや指示 のふらつきなどの現象に繋がります。粉塵や蒸気で視界が悪く液面が見えない様な環境下では、超音波の利用はお勧めしません。
・蒸気は発信面への結露も発生させ、不要な反射の発生や反射波の減衰に繋がり、指示飛びや指示
のふらつきなどの原因となります。
・測定エリア内で大きな温度変化やガスなどの発生があると音速が変化し誤差が生じます。


4.フロート式レベル計


原理
フロート式レベル計は、ステンレステープに吊るしたフロートを液面に浮かべ、液位のレベル変動に追従させています。テープの長さを常に計測することで空尺距離を計測しています。
フロートスプリングバランス式、シールパイプ式、カウンターウエイト式があります。


特長
・構造がシンプルでコストが低い。
・高い信頼性と耐久性。


短所
・付着の影響を受けます。液中に汚れや浮遊物があると次第に可動部に付着や固着を引き起こし、フロートの可動を妨げ、誤検出や検出不可につながります。例えば投入制御などに使用していた場合、フロートが動かないことから液位を認識できず、オーバーフローを引き起こしてしまう危険があります。薬液タンクなどの場合、空気に触れている部分で結晶化が発生し、同様の事象に陥る場合があります。
・消耗品が多くメンテナンス性に欠けます。
・フロートへの固形物の堆積による誤差があります。
・防波管内で利用する場合、付着の影響でフロートの動きが悪くなり誤作動の可能性があります。


5.ガイドロープ式レベル計


原理
ガイドロープ式レベル計は、タンク天井からタンク内へ垂らしたローブに沿ってマイクロ波パルスが発信され、測定物から反射したマイクロ波がセンサに戻るまでの時間を測定し空尺距離に換算しています。


特長
・狭い場所での測定に適している
・放射角がないため、周囲の構造物の影響を受けにくい

短所
・プローブ部への付着が酷いと、誤計測する可能性があります。
・ワイヤのキンクや素線切れ、付着が発生するとノイズの反射が発生し誤計測しやすくなります。
・液中に汚れや浮遊物・結晶化成分があると次第にプローブへの付着が成長し、間違った反射波の 発生につながります。この結果、正しい反射波を検出できず誤計測し、気づかないうちにタンクを空にしてしまうなどの事象につながる危険があります。


6.静電容量式レベル計

静電容量式_イメージ

原理
静電容量式レベル計は静電容量式レベルメータと呼ばれることもあります。タンク天井からタンク内へ垂らしたプローブ電極とタンク壁でコンデンサを形成しています。電極間に測定物が入るとその量に比例して静電容量が変化。これをを計測し貯蔵レベルに換算します。


特長
・狭い場所での計測に向いています。


短所
・接触式のため異物混入の可能性があります。
・タンクを空にして、ゼロ調整をする必要があります。
・比誘電率が変化する測定物は誤差が生じます。


7.圧力式レベル計(投げ込み式水位計)

原理
圧力式レベル計(投げ込み式水位計)は、液位による液圧の変化をダイヤフラムが捉え貯蔵レベルに換算します。
ただし、タンク内圧力が大気圧という条件での利用となります。


特長
・レベル計の中では比較的安価になります。
・設置スペースが狭い場所にも取り付けやすい。


短所
・液中に気泡が多いと圧力にムラができて精度が悪くなります。
・付着や固形物の沈降が多いと精度が悪くなります。
・液体の比重により液圧が変わる場合、合わせ込みが必要です。
・メンテナンスする場合はタンクを空にする必要があります。
・河川などの水位計測で利用する場合、豪雨に伴う濁流で流された瓦礫や流木などがセンサへ衝突
し故障する恐れがあります。


8.差圧式レベル計



原理
差圧計は、液圧を計測するダイヤフラムの他にタンク内圧を計測するダイヤフラムの2つで構成されます。
液圧からタンク内圧を差し引くことで貯蔵レベルを算出します。


特長
・タンク内の圧力変化の影響を受けず測定できます。
・開放タンクだけでなく、密閉タンクにも適用可能です


短所
・中に気泡が多いと圧力にムラができて精度が悪くなります。
・付着や固形物の沈降など多いと精度が悪くなります。
・液体の比重により液圧が変わる場合、合わせ込みが必要です。
・メンテナンスする場合はタンクを空にする必要があります。


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水位計に関するお役立ち情報

レベル計測機種選定ガイド
お役立ち資料ページの紹介

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